蜜恋ア・ラ・モード
本当は、怖かった。
小学生の、しかも女の子の私が、いじめっ子三人に向かって行くのは本当に怖くて。
でもその当時、私より身体の小さかった洸太を守るのは自分の役目だと思っていて。
震える身体で力を振り絞り、立ち向かっていった。
でも勝った後も、恐怖心からか身体の震えは止まらなくて。
そんな私の身体を、いつも洸太が優しく抱きしめていてくれたんだ。
そう、今みたいに背中をさすりながら……。
「ねぇ洸太。やっぱり私は、洸太がいないとダメみたい。ひとりじゃ何もできないよ」
「わかってる。俺、さっき話しがあるって言っただろ?」
「うん」
「俺さ、今回のことでよくわかったんだ。俺もお前と一緒。ひとりじゃダメなんだ。小さい頃から一緒に居すぎて、お前がそばにいるのが当たり前になってて気づくのが遅れた」
「うん。それ、私も同じ。洸太がそばに居て当たり前って。よく言うじゃない、空気みたいな存在って。だから洸太と三ヶ月間会えなかった時、洸太がそばにいないと息ができないって言うか違和感があって。空気がない=生きていけなくなる。みたいな感じ」
「うん。だから当たり前って思っちゃいけないんだよな。絶対に必要なものだからこそ、相手に気持ちを伝えてそばに、一緒にいてもらう。存在を示し合わないといけないんだ」
「存在を示し合う?」
「そう。俺はここにいるぞって。都子が嫌だって言ったって、俺はもう絶対にお前を手放さないぞってな」
「嫌だなんて言わないよ。私も絶対に、もう洸太から離れないから」
照れくさそうに微笑む洸太が私の前髪を掻き分けると、おでこにチュッとキスをしてくれる。