蜜恋ア・ラ・モード

ニヤニヤして私を見る洸太をキッと睨んでも、洸太に「はいはい」と宥められるとそれ以上怒ることはできなくなってしまう。


「おい洸太。都子ちゃんがお前のところに泊まったってことは、お前たちは付き合ってんだよな?」

「まぁ、そういうことだな」

「そうか!! こりゃ早速、晴恵さんに報告しないとな」


晴恵さんとは、私の母の名前。

私の家と洸太の家は家族ぐるみの付き合いで、なぜだか両方の親は昔からずっと、私と洸太を結婚させたがっていた。

だからおじさんが喜ぶのはわかるんだけど……。

なんだかことが勝手に運んでしまいそうで、ちょっと不安。

でも私も洸太もいい歳だし、皆に祝福されるのは悪いことではないのかもしれない。

おじさんから話を聞いたら、お母さん喜ぶだろうな。

そんなことを考えながら顔をほころばせていると、洸太が私の肘を突いた。


「何ニヤニヤしてんだよ? もしかして、またキスしたいとか?」

「バカッ!!」


朝のことを思い出してしまい、恥ずかしさから洸太の脇腹を力いっぱい殴ってしまう。


「イッてぇー!! お前、力強すぎ」

「洸太が悪いんでしょ」


女の私の力なんてたかが知れてるのに、わざと大袈裟に痛がって皆から笑いを取る洸太。一瞬にして、その場が盛り上がる。

こうゆうところに洸太の人柄が出て、人望が集まる。

看板娘ならぬ看板息子と呼ばれる所以は、そこにあるのだろう。




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