蜜恋ア・ラ・モード

洸太を見れば、社員さんたちに囲まれて嬉しそうに話をしている。

こんなにも嬉しそうに笑う洸太の顔、久しぶりに見るかもしれない。

もちろん昨晩も嬉しそうにはしていたけれど、そこには照れくささが入っていたのかちょっとぎこちなさが混じっていた。まあそれは、私も同じだったんだけど。

また洸太のこんな顔が見れるようになるなんて。それもこんな近くで。


「都子ちゃん」


いつの間にか隣に立っているおじさんが、私を呼ぶ。


「はい」

「親の俺が言うのも何だけどさ。あんなヘラヘラしたやつだけど、洸太は本当にいい男だから」

「うん」

「どんなことがあったって、必ず都子ちゃんのことを幸せにしてくれる」

「うん」

「もし洸太が都子ちゃんのことを泣かすようなことしたら、おじさんがぶん殴ってやるから」

「……うん」

「だから……洸太のこと、よろしく頼むな」


そう言っておじさんが頭を下げると、込み上げてきた涙がブワッと溢れでた。

『よろしく頼む』なんて、それはこっちのセリフ。

洸太はずっと私のことを、私だけのことを思っていてくれたのに、私はその気持ちに応えようとはしなくて。

洸太と会えなくなって初めて自分の本当の気持ちに気づいて、ずっとずっと長い間、洸太を待たせてしまった。

でも洸太はそんな私を、今でも好きだって言ってくれて。

『こちらこそ、よろしくお願いします』そう言いたいのに、涙で言葉がつまってしまい話すことができない。






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