蜜恋ア・ラ・モード
「おいっ親父!! なに都子泣かしてんだよ」
泣いている私に気づいた洸太が慌てて私のそばに駆け寄ると、おじさんに向かって怒鳴り声をあげる。
「こ、こうた……ちが……うの」
「でもお前、泣いてんじゃん」
涙を堪えなんとか絞り出した言葉も、違うだけじゃ事の真意は洸太に伝わらなくて。
どうしたらいいのか考えた結果、私は何を思ったのか洸太に抱きつくと少し背伸びをして形の良い唇にキスをした。
突然湧き上がる歓声。
その完成が耳に届くと、洸太にキスをしている自分の気づき、慌てて洸太から身を離す。
目の前の洸太を見れば、驚き目を見開いている。
「お、お、お前、何してんだよ」
洸太の顔がみるみるうちに赤くなっていき、その顔を見られないように片手で隠す。
そんな洸太の恥ずかしがる仕草が面白くて、いつの間にか涙は止まっていた。
なんでキスなんかしたんだろう。自分でもよくわからない。
でもおじさんは嬉しそう微笑み、私達を見ている。
「都子ちゃんに任せておけば、洸太は大丈夫だな」
なんてわらっているけれど、何が大丈夫なんだろう? やっぱりよくわからない。
でもここにいる皆が楽しそうに笑っているということは、いきなり洸太にしたキスもあながち間違えではなかったのかもしれない。
なんて、私の勝手な解釈だけど。