蜜恋ア・ラ・モード

思わずフフッと声を出して笑ってしまった。


「都子って、時々わけの分かんないことするよな。ちょっと来いよ」


まだ照れているのか頭をガシガシ掻くと、もう片方の手で私の腕を掴み強引に歩き出す。


「ちょっと洸太、どこ行くの? そんな引っ張らなくても、ちゃんと歩くって」


そう言っても洸太は腕を掴む力は緩めてくれず、ずんずんと歩いて行く。

しょうがなく少し引きづられ気味に歩いて行くと、会社の裏にある階段下のスペースに押し込まれ壁に押し付けられた。


「な、なに? こんなところに連れ込んで」

「なぁ都子。朝から勝手なことばっかして。どういうつもりだよ?」

「勝手なことって、キスのこと?」

「何考えてるの?」

「何も考えてないけど。嫌……だった?」

「はぁ!? 嫌なはずないだろ。でもな、俺はされるより、自分からするほうが好きなんだっ!!」


と言うのと同時に、唇を塞がれてしまう。

それは昨晩のような激しさはないけれど、今までのどのキスよりも洸太の気持ちが伝わってくる熱いキス。

離れては重なり、角度を変えては深く絡み合うキスに、身も心もとろけてしまいそうだ。

名残惜しそうに唇が離れると、洸太が私の身体をぎゅっと抱きしめた。


「都子。もう何があっても、絶対に離さないからな」

「うん、私も」

「永遠に一緒だ」

「それってプロポーズ?」

「ああ。もう一日だって、離れていたくないんだ。都子、愛してる」


私からの“愛してる”の言葉は、洸太の唇で口を塞がれてしまい言うことができなくて。

でもこれからは永遠に一緒。

だから何度だって言ってあげる。


『私も洸太を愛してる』って───




< 158 / 166 >

この作品をシェア

pagetop