蜜恋ア・ラ・モード

私としては、結婚式が終わってからでもいいんじゃないかと思っていたのだけど。

部屋も余ってるし、『何より、少しでも長く都子と一緒にいたい』なんて言われたら、断る理由なんてどこにもなくて。

一緒に暮らしだしてまだ2週間しか経っていないけれど、もう洸太が隣にいない朝なんて考えられないようになってしまっていた。

結婚式の準備も、順調に進んでいる。

と言っても進めているのは、私の母親と洸太の父親で。まるでふたりが結婚するかのように、あーでもないこーでもないと毎日騒がしくしている。

でもさすがに、私のウエディングドレスまで勝手に決めようとしていたのには驚いた。

それだけは洸太とふたりで決めさせてほしいとお願いすると、『じゃあそれだけは』とOKしてくれてホッと一安心。

洸太が『これも親孝行か』なんて言うもんだから、あのふたりに任せてはいるけれど。

正直なところ、どんな結婚式になるのか心配。


「都子先生。乾杯の挨拶、お願いします」

「えぇ、私が? じゃあ僭越ながら」


そう言うと一度深呼吸してから、用意されていたワイングラスを手に取る。


「皆さんとは、この料理教室の初めての生徒さんとして出会って8ヶ月。何もかも始めてて不安だった私は、あなた達のお陰でその不安を乗り越えられてと思っています。本当にありがとう。料理の腕前もかなり上達していて、もう私の出る幕はないかもしれませんが……」

「そんなことありませーん」

「そうそう。ずっと先生に料理を習いたいです」

「嬉しい事言ってくれるのね」


高浜さんと柳川さんの言葉に、グッと胸が熱くなる。





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