甘い恋の始め方
(課長がいるから、ここへ来られたら困る)
『……それともこちらへ来ますか?』
「そこはどこですか……?」
『副社長室です』
「そちらへお伺いします」
『場所はわかりますか?』
「はい」
理子の返事を待って、唐突に電話が切れた。
悠也と会って話をしたいと思っていたのに、こうなると彼の反応が怖くて足がすくむ思いだ。
(久我副社長、完璧に怒っているかも……)
パソコンの電源を落とし、デスクの上の散らばったえんぴつや赤ペンをかき集め引き出しの中にしまうと、バッグを肩からかけて立ち上がる。
「課長、帰ります。お先に失礼します」
「ああ。デートになったんだね。楽しい頃だよね~。先週の分まで楽しんでおいで」
課長の年寄り臭い発言に普段なら苦笑いを浮かべるところだが、緊張の極限に近い理子はそれどころではなく真面目な顔で退室した。
エレベーターのボタンを押して呼ぶ。
待つ間、シルバーのドアに映る自分を見て化粧を直していなかったことを思い出し、ちょうど来たエレベーターを見送り化粧室に向かった。
『……それともこちらへ来ますか?』
「そこはどこですか……?」
『副社長室です』
「そちらへお伺いします」
『場所はわかりますか?』
「はい」
理子の返事を待って、唐突に電話が切れた。
悠也と会って話をしたいと思っていたのに、こうなると彼の反応が怖くて足がすくむ思いだ。
(久我副社長、完璧に怒っているかも……)
パソコンの電源を落とし、デスクの上の散らばったえんぴつや赤ペンをかき集め引き出しの中にしまうと、バッグを肩からかけて立ち上がる。
「課長、帰ります。お先に失礼します」
「ああ。デートになったんだね。楽しい頃だよね~。先週の分まで楽しんでおいで」
課長の年寄り臭い発言に普段なら苦笑いを浮かべるところだが、緊張の極限に近い理子はそれどころではなく真面目な顔で退室した。
エレベーターのボタンを押して呼ぶ。
待つ間、シルバーのドアに映る自分を見て化粧を直していなかったことを思い出し、ちょうど来たエレベーターを見送り化粧室に向かった。