甘い恋の始め方
「久我君、わざわざ婚約者の出迎えか」
受付嬢がすぐ近くにいるため、悠也とは呼ばない。篠原はふたりきりの時以外は「久我君」と呼んでいる。
「ええ。理子、社長とは会っているね」
「は――」
「契約書はまだ出来上がっていないのか?」
そこで篠原が話をさえぎり、悠也に仕事の話を持ちかけた。
「グローバル社の契約書なら、さきほど秘書にもたせましたが」
そこで悠也の執務室の前まで来た。副社長室は社長室の手前の部屋。
理子は会釈してその先を行く社長を見送る。
「さあ、入って」
悠也に促されて副社長室へ入る。
「社長に何か言われた?」
「えっ? そんなことないです。どうしてそう思うんですか?」
鋭い悠也に理子は首を横に振ってこたえる。
「なんとなく雰囲気がおかしかった」
「それはわが社の社長ですから。緊張もします」
「理解があり、良い男だからそんなに緊張しなくても大丈夫」
(理解があり、良い男……私には悠也さんを守る過保護なお兄さんに見えるわ)
受付嬢がすぐ近くにいるため、悠也とは呼ばない。篠原はふたりきりの時以外は「久我君」と呼んでいる。
「ええ。理子、社長とは会っているね」
「は――」
「契約書はまだ出来上がっていないのか?」
そこで篠原が話をさえぎり、悠也に仕事の話を持ちかけた。
「グローバル社の契約書なら、さきほど秘書にもたせましたが」
そこで悠也の執務室の前まで来た。副社長室は社長室の手前の部屋。
理子は会釈してその先を行く社長を見送る。
「さあ、入って」
悠也に促されて副社長室へ入る。
「社長に何か言われた?」
「えっ? そんなことないです。どうしてそう思うんですか?」
鋭い悠也に理子は首を横に振ってこたえる。
「なんとなく雰囲気がおかしかった」
「それはわが社の社長ですから。緊張もします」
「理解があり、良い男だからそんなに緊張しなくても大丈夫」
(理解があり、良い男……私には悠也さんを守る過保護なお兄さんに見えるわ)