甘い恋の始め方
「行こうって?」
「俺のマンションだよ」
見つめる悠也の瞳はこんな時だからなのか、今の理子には優しく見えてしまう。
隣に住む女性は気の毒で可哀想だが、自分だったらと思うと足がすくむ思いだ。
マンションの入り口まで来ると人だかりはいつの間にかほんの数人に減っていた。
手を引っ張られるままに付いて行き、少し離れたところに停めた車の助手席に乗せられる。悠也は持っていた理子の買い物袋とケーキの箱を後部座席に置くと、運転席に回ってきた。
なにか言いたそうな理子を見て、「俺たちは話し合う必要がある」と言って、車を発進させた。
悠也のマンションに着くまでの時間、理子は針のむしろに座らされた気分だ。悪い方にばかり考えてしまい、勝手に目頭が熱くなって俯く。
「温泉はよかった? 何処まで行ってたの?」
赤信号になって車が止まると、悠也は口を開いた。
「福島の……とてもよかったです」
緊張しすぎて言葉が続かない。
「ゆっくり出来たのなら良かった」
「はい……」
ぎこちない会話が流れ、いつもは短いと感じる距離に今日は長いと感じ、ようやく悠也のマンションの地下駐車場のゲートを抜けた。
「俺のマンションだよ」
見つめる悠也の瞳はこんな時だからなのか、今の理子には優しく見えてしまう。
隣に住む女性は気の毒で可哀想だが、自分だったらと思うと足がすくむ思いだ。
マンションの入り口まで来ると人だかりはいつの間にかほんの数人に減っていた。
手を引っ張られるままに付いて行き、少し離れたところに停めた車の助手席に乗せられる。悠也は持っていた理子の買い物袋とケーキの箱を後部座席に置くと、運転席に回ってきた。
なにか言いたそうな理子を見て、「俺たちは話し合う必要がある」と言って、車を発進させた。
悠也のマンションに着くまでの時間、理子は針のむしろに座らされた気分だ。悪い方にばかり考えてしまい、勝手に目頭が熱くなって俯く。
「温泉はよかった? 何処まで行ってたの?」
赤信号になって車が止まると、悠也は口を開いた。
「福島の……とてもよかったです」
緊張しすぎて言葉が続かない。
「ゆっくり出来たのなら良かった」
「はい……」
ぎこちない会話が流れ、いつもは短いと感じる距離に今日は長いと感じ、ようやく悠也のマンションの地下駐車場のゲートを抜けた。