甘い恋の始め方
「からかわないでね? 私は浩太君より5歳も上なんだよ?」

「からかってなんでいないです。俺、理子さんと付き合いたい」

両手を握られたまま、ぐぐっと顔を近づけられた理子は顔を引く。

「付き合っている人、いるんですか? いや、今度はいても押していくつもりなんですけど」

真剣なまなざしで見つめられた理子は視線を逸らした。

(付き合っている人は……)

理子は悠也を思い出す。

これから発展するかもしれない関係の悠也。

(そうよ! 結婚はお金! 久我副社長の方が絶対に将来性もあるし、包容力もある)

浩太と比べるのは失礼だけれど、理子は過去の恋愛から学んだ。

結婚するなら条件の良い人がいい……と。

(将来のない恋愛はしない)

そう思っても、理子のことを好きだと言ってくれる唯一の男。

理子は気持ちが揺らぐ。

「とにかくデートを重ねて俺のことを知ってもらえれば好きになってくれると確信しています」

(どんだけ自信家なの? 可愛い顔して、大人しそうなのに)




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