甘い恋の始め方
「で、久我副社長とあれから会ったの?」
「あれからって、そんなに経ってないわよ」
「んもう! じれったいわね、さっさと教えなさいよ」
加奈は空になった小さなグラスにチャミスルを手酌し飲む。
彼女はお酒に強い。
「月曜日、会議が終わってスマホを見てみると、電話が入っていたの。折り返し電話したら、食事に誘われただけ。その時に上海に出張するって言ってたから」
「本当に食事だけ?」
「本当に食事だけよ」
「あら残念」
「加奈、残念ってどういう意味よ」
「どんどん押して副社長を恋人にしなきゃ。恋人にならない前に社員ってばれたら逃げられちゃうでしょ」
「……そうかな……ばれたらだめになっちゃう?」
「副社長がどれだけモテるか、社内の噂聞いているでしょ? 副社長に近づいた女性社員はどんなにきれいでも若くてもみんな断られているの」
「それはわかっているけど……」
理子はチャミスルをぐっと飲む。キューっと液体が喉を通り熱く感じるとともにぼうっとしてくる。
「あれからって、そんなに経ってないわよ」
「んもう! じれったいわね、さっさと教えなさいよ」
加奈は空になった小さなグラスにチャミスルを手酌し飲む。
彼女はお酒に強い。
「月曜日、会議が終わってスマホを見てみると、電話が入っていたの。折り返し電話したら、食事に誘われただけ。その時に上海に出張するって言ってたから」
「本当に食事だけ?」
「本当に食事だけよ」
「あら残念」
「加奈、残念ってどういう意味よ」
「どんどん押して副社長を恋人にしなきゃ。恋人にならない前に社員ってばれたら逃げられちゃうでしょ」
「……そうかな……ばれたらだめになっちゃう?」
「副社長がどれだけモテるか、社内の噂聞いているでしょ? 副社長に近づいた女性社員はどんなにきれいでも若くてもみんな断られているの」
「それはわかっているけど……」
理子はチャミスルをぐっと飲む。キューっと液体が喉を通り熱く感じるとともにぼうっとしてくる。