- 魔 法 戦 争 -
湊は騒がしい声で目を覚ました。
ゆっくりと寝ている体を起き上がらせるとカーテンを開けた。
そこにいたのはー
「ーだから、湊は俺のものだって!」
「いいじゃん!僕は、一之瀬君に憧れたの!」
「なんで俺じゃないんだよ!」
「まぁ、まぁ二人とも落ち着いて。一之瀬君が起きてしま…
「残念ながら、起きてしまいました」
雷と、白い髪の少年と、灰色の髪の少年だった。
「湊〜、聞いてくれよ。あいつ…
「無理ですね。」
湊は即答し、しかも拒否したので雷は落ち込んだ。
「あははは!ばぁーかだね!」
指を指しながら笑う白い髪の少年。
「あぁ?俺は馬鹿じゃねぇし!お前はいつもテスト学年最下位だろ?」
上から目線で見る雷。
「雷は、僕の一個上だけでしょ?そんなの、変わらないじゃーん!」
醜い争いが始まった。この二人は馬鹿らしい事で喧嘩しているが、残りの二人、湊と灰色の髪の少年は溜息をついた。
たまたま、同じタイミングで溜息をついた二人は目と目が合い、二人とも苦笑いをした。その苦笑いはあの二人に「呆れた」の意味がこもっていた。