七神〜私と君で咲かす花〜
私が逃げたせいで、月神がやられちゃったら…?
月神が…、死んじゃったら――?
「いや……誰も…死なないで……」
そう呟き、その場にしゃがみこむ。
そして、月神に反論しなかった自分への苛立ちが込み上げてきた。
なんで、あそこで逃げた…?
そうやって自分を守って……
また、大切な人を失いたいの――?
怒りと不安が入り交じり、どうしようもない感情に飲み込まれた。
「琥珀!」
突然、頭の上から声が聞こえた。
見上げると、息を切らせた千尋が塀の上から、私を見下ろしている。
「ち…ひろ……」
「えっ!? ちょ、琥珀!?」
千尋と合流できた安心からか、頬を一筋の涙が伝った。
それと同時に余計心配になった月神の安否。
「…そうだ…! 千尋、月神が…」
涙に戸惑っていた千尋は、真剣な顔になる。