面倒臭がりの異界冒険伝
「ごめ…ごめんなさ、い……っ。私のせい……。」
「大丈夫だから……。あんたが無く必要ないっての。」
「でも…っ!」
杏奈が言い返そうとする前に先程悠奈を殴った奴が、口を挟んだ。
「てめぇまだ喋れる余裕あんなら、もう一発お見舞してやろーか?」
優位に立ったと思って見下してくる男に、眉間がピクリと動く。
いや、我慢だ我慢。とりあえずチャンスまで耐えろ自分。
そう思ったのだが、どうにも杏奈の方が我慢の限界だったらしい。
「お姉ちゃんに…手を出さないでっ!」
自衛のために教えられた合気道でナイフを離させ、柔道の要領で杏奈は易々と男を背負い投げる。
手加減しているのに、きちんと気絶させているのはお見事なものだ。
「…っくそ、こいつら両方共強いのかよ。」
予想外の事に狼狽えたリーダーを余所に、杏奈が動いてくれたならまぁ気を使わなくて済むのでその方が楽だ。
そう思い、残りの連中を一気に沈めていく。
まず手近にいた、悠奈を殴った男をとりあえず簡単に沈めておいて、残りはリーダーを含めてあと三人。
後は簡単に片が付くだろう。