月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「たしかに、旨いな」
狼呀は微笑んだ。
少し頬と耳が赤い気がする。
「頬が赤いけど、どうかした?」
「いや……親密なことをしてくるから、びっくりしたんだ」
「親密? そんな事した?」
あたしは、そんな行動をしたって意識はなかった。
「俺たちの一族にとって、相手に食べさせるのは、親愛を意味してるんだよ」
「なっ! なにそれ!」
今度は、あたしが赤くなる番だった。
知らずにした行動だったけど、自分の迂闊さを呪いたい。
あたしは俯いて、黙々とステーキを口に運んだ。
恥ずかしすぎる。
拒絶している相手に、そんな事をするなんて。