月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「分かった……ろ、狼呀」
心の奥が、じんわりと熱を持つのを、狼呀は目を閉じて感じていた。
(最高に気分がいい)
マリアの手を握る手に力を込めると、彼女もためらいがちだが握り返してきた。
「場所を変えて、ゆっくり話さないか」
マリアは、戸惑いを浮かべながらも頷いた。
一瞬、狼呀は伝票を掴んで会計を済ませてしまおうと思ったが、短い期間で感じたマリアの性格から嫌がるだろうと考えてやめた。
今は、一つでも悪い印象を抱かせたくない。