月の絆~最初で最後の運命のあなた~



「もし……話してくれるなら、俺も何でも話す」


 賭けだった。


 興味ないと言われてしまえば、一瞬で終わる。


 だが、目の前に餌をぶら下げられて、食いつかない動物がいるだろうか。


「……分かった」


 マリアはノブから手を放すと、シートに深く座り直した。思わず抱き締めたくなるが、ハンドルをぎゅっと握りしめて堪える。


「あなたが声をかけたら、その顔ならどんな女だって家に連れ帰り放題でしょうけど。ほら……みんな、あなたと一夜を共にしたがるだろうから」


 そこまで一気に話して、マリアは狼呀と目を合わせた。




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