月の絆~最初で最後の運命のあなた~



「でも、あたしは……出会って数日の男の家には行かない」


 現代では、頭がかたいと言われるだろう。


 だけど狼呀は、一族の歴代アルファがそうだったように、古い考えの持ち主で、そんなマリアが誇らしくさえあった。


 一人くらいならまだしも、伴侶が複数の男と交際したり、体の関係を持っていたら我慢できない。


 その可能性が消えて、歓喜の遠吠えを上げたくなった。


「分かった。なら、どこでなら二人でも落ち着ける?」


「カフェとかなら」


「だったら、俺の友人が経営しているカフェにしよう」


 マリアが小さく息を吐いて、シートベルトをしたのを確認してから、狼呀はエンジンをかけた。





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