月の絆~最初で最後の運命のあなた~



「聖呀、彼女はマリアだ」


「ふーん、あんたが女連れてくるとはね」


 聖呀はカウンターの中から出てくると、じっとマリアを見た。まるで。彼女が何者であるか、害をもたらす存在ではないかを見極めようとしているみたいに。


「マリア、こいつは葉山聖呀だ」


「……はじめまして、楠木マリアです」


 緊張しているのが、触れている腰の筋肉で狼呀には分かった。


 無理もない。


 聖呀は瑞季とは違って、相手を緊張させるような雰囲気を持っている。


 相手の心理や本質を探るのが聖呀の役割でもあるからか、いつでも彼の緑色の瞳は誰も信用しない。仲間だと、家族だと認めない限り。


 なのに、驚いたことに他人が見ても分からないが、小さく微笑んだことに狼呀は気がついた。




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