月の絆~最初で最後の運命のあなた~
[3]
体に当たる朝日の温かさに、あたしはぼんやりと目覚め、自分が一度も夜中に目覚めなかった事に驚いた。
最近は、夜中に何度も目覚めるし、なかなか寝付けなかったりと、不眠症になっている自覚があったのに……。
全身が温かい熱に包まれていて、あたしは起きるのを拒否した。
頬に当たる温もりにすりより、少し固めの抱き枕を強く抱き締め直す。
足まで絡めて、もっと顔を埋めると、不思議なことに抱き枕がもぞもぞ動いた。
「せっかく気持ちがいいんだから……動かないで」
夢心地でそう言うと、何かが首筋に吸い付いて、あたしに痛みを与える。
「これでも、俺がいい抱き枕だと思うか?」
その低くて甘い声に、あたしは本当の意味で目を覚ました。