月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「じっくりと話し合うのに、今は時間が足りない。暫く、この部屋にいて考え直してくれないか?」
「どうして……時間が足りないの?」
狼呀の瞳は、昨日から濃い色になっている。
もしも、この瞳のままで外を歩いたら、狼呀が人間じゃないと誰でも気づくと思う。
妙な不安感に襲われて、あたしは狼呀の願いを無視して質問した。
「満月が近い。俺たちは、満月の日だけは理性がきかなくなるから、地下にこもるんだ」
あたしを抱き締めていた腕が離れていって、暖房が点いているはずなのにあたしは身震いした。
もう、離れるのは無理なんじゃないかって気がしてくる。
どうにか、心の奥に押し込んだ寂しさを感じながら体を起こすと、狼呀はベットを出てTシャツを掴んだ。
「若い人狼は不安定だから、今日から地下に繋がなくちゃならない。それも、俺の仕事なんだよ……アルファとしての」