月の絆~最初で最後の運命のあなた~



 そう言われても、何も言い返せない。


 マリアは伴侶なのだ。


 無理強いや一生ただ縛りつけるだけの関係にはなりたくないし、マリアの気持ちを尊重したい。


 本能と理性がぐるぐる回り、混じりあうことがないから、狼呀は悩んでいる。


(どうしたら、マリアは吸血鬼になることを諦めてくれるのだろう)


 この問題は、伴侶に出会ったことのない瑞季には分からない。


「仕方ないさ」


 狼呀は、若い人狼の名前が書かれた名簿を確認した。


 瑞季が部屋に入れたのが、最後の一人だった。


 チェックを入れて先に外に出ていると、もう一度鍵の確認をしてから瑞季が出てくる。


「そういや、この期間……彼女を一人にしていいのか?」


「生活できる分のものは置いてきたし、鍵も渡してある」


「いや、そうじゃなくて」


 あまりにも呆れたようにため息を吐かれ、狼呀は目を丸くした。


 今の会話で、いったいどこにため息を吐かれなくちゃいけないのか、狼呀は分からない。




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