月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「お前……レイラのこと、わすれてないか?」
「この間、新しく来たミサと入れ換えしただろ?」
「やっぱ、お前って馬鹿だわ。オレはどうして、こんな馬鹿をアルファだと思ってんだか」
額に片手を当てながら、瑞季は頭を振っている。
さすがの狼呀も、少し頭にきた。
「おい! 遠回しに言わないで、はっきり言え」
「へいへい」
階段を上り、隔離エリアから出るまで、狼呀は辛抱強く待った。
ようやく、瑞季が口を開いたのは、さらに上にあるラウンジに着いてからだ。
「オレはコーヒー。お前は?」
「コーヒーでいい」
それから、コーヒーがテーブルに置かれるまで、お互い口を開かないでいた。