月の絆~最初で最後の運命のあなた~
中身を取り出すと、より一層匂いが鼻をくすぐる。
「いただきます」
「はい、どうぞ……って、わたしが作った訳じゃないけど」
二人で笑い、サンドイッチとコーヒーを楽しみながら歩いていた。
一軒一軒の家が遠く、まるで森の中を散歩しているみたいな気分になる。
「アヤー!」
静かな時間を台無しにする子供の声に、あたしは顔をしかめた。
「絢華さん……冬呀の家さえ教えてくれれば、自分で」
「ああ、そっか。マリアって、子供が苦手だっけ」
話をしている間に、子供たちはどんどん近づいてくる。
軽く数えても五人。
とにかく、逃げる場所を探した。
「大丈夫よ。この子たちを苦手なんて、誰も思えないわよ」
そんな訳がない。
子供は子供だ。他の何者でもない。
「あ! こらっ!」
絢華さんの大きな声に、はっとして見ると――。