月の絆~最初で最後の運命のあなた~
これまで子供に感じていた反発はない。
このまま、ずっと抱いていてもいいくらいの気持ちだ。
「さあ、冬呀のところで洋服を着ようね」
絢華さんに抱き抱えられている子も、周りをちょろちょろ歩く子も、あたしのことを見ている。
今までなら、子供に見つめられるだけで顔が強ばって、睨み付けることばかりだったのに、この子たちにはそんな気分にならない。
「どうかしたの?」
自分から子供に話しかけるなんて、はじめての経験だ。
けど、話しかけると、男の子たちは絢華さんのところに行ってしまった。
残ったのは、唯一の女の子。
「あのねー、みんなおねえちゃんのおなまえがしりたいんだって」
そう言ったのは、ワンピースを着た可愛らしい女の子だ。
あたしは抱き上げて、目と目が合うようにした。
「あたしは、マリアよ。あなたのお名前は?」
「ルナ」
ルナは、あたしの首に腕を巻きつけて、ぎゅっとしがみついた。
はじめて自分の意思で、子供を抱き上げた。
なんだか愛しい。
「マリア、着いたよ」
たどり着いたのは、絢華さんの家と同じコテージみたいな家だ。
一つ違うのは、平屋作りという所。