月の絆~最初で最後の運命のあなた~


「人と違うと思ったことはないか?」


 そんなモノはない。


 頭脳も運動神経も普通で、秀でた事もないただの人間。あまりにも出来が悪くて、ここが居場所じゃないと感じていただけ。


「あたしは」


「強い怒り、人を簡単に信用できない心、家族を守りたいという保護本能。都会が合わず、自然が酷く恋しくなる。その全てが、異常につよくないか?」


 次々と言われたことに、あたしは唾を飲みこんだ。


 強い怒り。確かにある。


 切り裂いて、血の色を見たいと思うほどの異常な怒り。


 人間とは、上手く信頼関係が築けなかった。


 兄のせいで舞い込んだ問題が、家族を壊しそうで、吸血鬼になってでも守ろうとさえ思った。


 都会も合わなくて、息苦しくて何度も自然を求めた。


 恋しくて、恋しくて、仕方なかった。



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