月の絆~最初で最後の運命のあなた~
その抱擁は、まったく性的な意味を持たない、大きな愛をを感じさせた。
温かくて、強くて、優しいオオカミ。
あたしは、彼を知っている。
「ありがとう……見つけてくれて」
「マリア?」
不思議そうな声を出した冬呀は、あたしを抱き締める腕に力を入れた。
古くて、擦りきれた記憶だけど、オオカミの毛皮に手を滑らせたことがよみがえってきた。
心も、冬呀を覚えている。
この家と写真のおかげで、まるで霧が晴れたみたいに世界は別物に見えた。
もう、頭で考える時は終わった。
狼呀とのことと一緒。
大事なのは、心の声に耳を傾けることだったと気づいた。