月の絆~最初で最後の運命のあなた~



[2]


「悪い、悪い。冗談だ」


 狼呀は、マリアの被っているシーツを引っ張った。


 ――可愛いなあ。


 動揺して顔を真っ赤にするマリアを見て、狼呀は胸の中が温かくなるのを感じていた。


「冗談?」


「ああ、何もしてない」


 体を重ねて、絶頂に導いたかと聞かれれば、それは残念ながらなかった。


 むしろ、狼呀は褒めて欲しいくらいだ。


 性欲有り余る二十六歳の男が、温かくて柔らかいマリアの感触を胸に抱きながらも、添い寝以外をしなかった事に。


 マリアに出逢ってから、狼呀は思春期真っ盛りのティーンエイジャーに逆戻りした気分だった。







 
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