月の絆~最初で最後の運命のあなた~



「あー、もう! 何でもいいからジーンズを返して」


「さあ、何処だったかな」


 狼呀は、にやにやが止まらなかった。


 二十六年間の人生で、これほど楽しくて心から笑った事があっただろうかと思わずにはいられない。


 ――きっと無いだろな。


 子供の頃から、狼呀は伴侶を夢見ていた。幸せそうな両親を見ていたし、寝る前に読んでもらう絵本で描かれていた伴侶を見つける話が大好きだった。


 伴侶だけが、狼呀を楽しませて幸せにできるのだ。


 それなのに――楽しい時間を壊すように、扉を叩く音が響いた。





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