月の絆~最初で最後の運命のあなた~
がっかりしながら近づくと、マリアは数歩後ずさる。
(気に入らない)
伴侶は恐れることなく、腕の中にいるべきだ。
ずかずかと近づき、狼呀は壁までマリアを追い詰めると、彼女の顔の両側に手をついて逃げられないように閉じ込めた。
「な、なによ。あたし、帰りたいんだけど」
「いいや、帰さない」
その言葉にむっとしたのか、マリアは狼呀を睨み付けてきた。
「別に事故が起きなかったなら、問題ないでしょ……月城さん」
「いや、問題ある。まず、マリアには狼呀と呼んでほしいし、俺の伴侶だから一緒に住むべきだ」
「は? 意味わかんないんだけど。大事な所を蹴りあげられたくなかったら、さっさと退いて」
マリアは視線を下に向けてから、右足をわずかに引いた。それだけで、言っていることを実際にやるという本気が伝わってくる。