月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「誰が招き入れた!」
「わたしよ」
レンの横から出てきたのは、レイラだった。
信じられない。
レイラだって、狼呀と変わらないくらい吸血鬼を嫌っている。まさか、敷地どころか家に入れるなんて思いもしなかった。
「なぜだ、レイラ」
「あなたが、冷静な判断を見失ってるからよ」
頭を横から殴られたような気分だ。
まさに、飼い犬に手を噛まれたように、裏切られたショックで手が緩む。
そんな狼呀の手から両手を引き抜いたマリアは、足元に置いてある鞄を掴み、扉の前に立つレンの腕の中に飛び込んでいった。
「悪いな、月城。マリアは連れて帰るよ」
「ふざけるな! マリアは俺の伴侶だぞ」
「マリアは、吸血鬼の保護下にある。彼女への無理強いは、僕たちとお前たちとの関係に亀裂を生む」
レンはそれだけ言うと、マリアの肩を抱いて歩き出した。