月の絆~最初で最後の運命のあなた~


 狼呀と別の男で、いったい何が違うのか。


 あの日、帰りの車の中でレンがあたしの耳元で、眠るように囁いた時の事を、参考までに思い出してみる。


 狼呀に囁かれた時と違い、胸はドキドキしなかったけど、代わりに眠っても安全だという安心感はあった。


 とはいえ、あの時はとにかく眠くて、駐車場をでる車の揺れは心地が良かったのだから、あまり参考にならない。


 気がつけば、レンの家にあるゲストルームで寝ていて……。


 ただ、背中に感じる温かさがなくて、あたしは淋しさを感じていた。


 なにも知らない相手なのに――。


 そんな事を考えていると、扉を叩く音がした。




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