月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「マリア、いいかな?」
「あ、うん。どうしたの?」
扉が開くと同時に、あたしはベッドから体を起こした。
レンは腕時計を気にしてる。
「そろそろお昼だから、お腹が空いてるかなってね。この家に食べ物はないから、買いに行くなら車を出すよ」
たしかに、言われてみればお腹が空いている。
でも、お弁当というよりは、お店で食べたい気分。
「大丈夫、ありがとう。一人でお店に行って食べるから」
あたしは食べるのがゆっくりで、食事をしないレンを付き合わせようって気にはなれない。吸血鬼にとって、食事の匂いはきついはず。
それに、レンが同じ席にいると、不釣り合いなあたしに対する嫌悪にも似た視線が痛すぎて、食事が喉を通らなくなる。
「そう? なら、お金を」
あたしは、途中で遮った。
「レン。自分で出すから」