月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「オートロックだから、カードキーを忘れずにね」
あたしの頬にキスをすると、レンは部屋を出ていった。
一人になると、また淋しさが忍び寄ってくる。
こんなにも自分は、寂しがりやだったなんて驚きだ。
一人の時間が好きだったはずなのに。
人混みは嫌いだけど、今は酷く必要な気がして、あたしは鞄を掴んで部屋を出た。
最上階は全てレンの物で、専用の鍵でしか動かない直通のエレベーターもある。
吸血鬼はお金持ち過ぎると、感じずにはいられない。
高級車、高級マンション、自家用ヘリに会員制クラブ。
考えただけで、頭痛がしてきそう。
不死だと、時間がありすぎて仕事中毒にでもなるの?
そんなくだらない事を考えながら一階まで下りると、一気に部屋に戻りたい気にさせられた。