月の絆~最初で最後の運命のあなた~



 エレベーターが開いた瞬間、目に飛び込んできたのは、露出の高い服を着てフロアに立っている妖艶な女たち。


 視線は全て、あたしの乗っているエレベーターに注がれている。


 あからさまに『何であんな女が?』って目もあれば、あたしの首を見て納得する女もいた。


 あたしの首には、まだ塞がらないレンの噛み痕があり、大袈裟にならない程度のガーゼをしてある。


 それで納得するタイプなら可愛いものだ。


「なんであの子、レン様専用エレベーターの鍵を持ってるの?」


 前を通って外に出ようとした時、嫉妬に燃える声が聞こえてきた。


 これだから、恋と愛に脳みそを支配されている女は嫌になる。


 周りなんて見えなくて、勝手な憶測と妄想で頭を一杯にして、無関係な人間に不快な思いをさせるんだからたちが悪い。




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