いとしいこどもたちに祝福を【後編】
それは他人からすればかなりどうでもいい話だろうが、自分にとっては割と重要なことで。

事実、数年振りに囁かれたその渾名は確かに恥ずかしかった筈なのに耳心地が良くて。

この場に自分たち以外誰もいないのは解り切ったことだが、何となく周囲に視線を巡らせてから、風弓はぼそりと呟いた。

「……今は他に誰もいないから、特別な」

すると、それを聞いた晴海は先程よりもずっと嬉しそうに笑顔を綻ばせた。

「…!ありがと、ふゆちゃん」


 + + +

 
< 148 / 331 >

この作品をシェア

pagetop