いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「っ大丈夫だ、心配すんな…!」

「ははっ、そんな身体でどうする気かな?僕と掴み合いの喧嘩でもするつもり――」

次の瞬間、真都の真横に位置する蛇口が大きな破裂音と共に弾け飛んだ。

「っ?!」

飛沫となって飛び散った水が、床まで流れ出して足元を冷やす。

「成程、能力者か。見た目からは判らなかったな」

風弓の掌から滴るような蒼い光を認めて、真都は一人納得したように小さく呟く。

例によって風弓の能力を封じていた制約の魔法は、既に周の部下の霊媒師によって解除して貰っていた。

「姉ちゃん、ちょっとだけ我慢してくれよっ…」

そう言って風弓が身構えると、真都は晴海を引き寄せて両腕の中に抱き込んだ。

「や…っ!」

「いいのかい?今僕を狙ったら、君の大切な姉さんも巻き込んでしまうよ」

「ってめえ…ふざけんなよ…!!」

「僕もこの子を傷付けたくない…さあ、其処を退けて貰おうか?」

勝ち誇ったようにそう言い放つ真都に対し、風弓は鼻で笑い返す。

「舐めやがって…!そうしてりゃてめえにだけ当てられないとでも思ってんのか!!」

風弓の声を合図にして、晴海と真都の周囲の水が巻き上がる。

水は器用に晴海を避けながら、真都の顔面目掛けて勢い良く噴射された。
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