いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「晴海ちゃんの能力のこと、真都には口止めしておいたけど…あの力は一体何なんだい?風弓くんは勿論…陸も何か知っているんだろう?」

「…風弓」

京から投げ掛けられた疑問にちらりと風弓へ目配せすると、向こうも覚悟を決めたように頷いた。

「うん。姉ちゃんの力が目覚めちまった以上、隠してても仕方ないしな…」

ちょうど風弓とも、お互いに知らなかった点を補完したいと話していたところだ。

「…姉ちゃんは生まれつき心臓や身体が弱くて。子供の頃は、軽い運動をするだけで発作を起こしたり、頻繁に熱を出したりしてたんです」

今の晴海にその片鱗が殆ど見られないためか、京も夕夏も少し意外そうな表情を浮かべた。

「俺は三つのとき水の能力が発現したんだけど、対する姉ちゃんは何の能力の片鱗も見せなくて」

「双子のどちらかだけが能力者になる例はあんまり多くないけど…君たちのような二卵性なら、稀にそういう例もなくはないよ?」

能力者が持つ魔力の属性は、母親の胎内に子供が授かるとほぼ同時期に精霊が宿ることで決まると言われている。

そのため両親が能力者であったり母親が懐妊時期に過ごした環境により、宿る精霊が変わる。

双子は一卵性ならば発育の性質上必ずと言っていい程同属の能力者となるが、個性の分かれる二卵性では片割れだけが全く能力者の素質を持たずに精霊が宿らない例や別々の精霊が宿る例がある。

「親父も最初はそう考えたらしいんです。でも念のために姉ちゃんにと能力の検査をして。そしたら姉ちゃんからは、物凄く弱々しいけど妙な能力が見付かったんだ」

「弱々しいけど…妙?」

「属性が定まってないんだ。何て言うのかな、属性がくるくる不規則に入れ替わるって言うか…全ての属性の精霊の気配が、姉ちゃんから見え隠れしてる状態だった」

「…そんな能力は、聞いたことがないな。けど確かに病院から感じたのはそれに似たような…いや、その能力が一気に辺りに暴発したみたいな気配だったね」

京が当惑したようにゆっくりと首を振る。

「親父も色々調べたけど、同じような能力者は見付からなかった。だから、まずは様子を見ることにしたんだけど…」
< 188 / 331 >

この作品をシェア

pagetop