いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「晴…」

それでも名を呼ぶと、晴海はすぐこちらを向いてくれた。

「ごめんな」

「…りっくん?」

折角愛梨のお陰で自分にも慣れてくれたのに、こんなことを言ったらまた警戒されてしまうかも知れない。

「…晴がお母さんと離ればなれになったのは、俺のせいなんだ。…だけど俺は晴のお母さんに、俺がお母さんの代わりに絶対晴を守るって約束したんだよ」

それでも、あのとき仄が自分に大切な娘を託してくれたことを、今の晴海に知っていて欲しかった。

しかし実際は、自分にあのときの気持ちを再度言い聞かせるつもりでいたのかも知れない。

「…、………」

すると晴海は少し困惑した面持ちで、再び俯いてしまった。

「……あのね、りっくん」

次いで、狼狽したようにそろりと言葉を切り出した。

「…ん」

「………だっこ、して」

「へぇっ?!」

余りにも予想外な発言に、思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。

「わたしがさびしいとき…かあさんはよくだっこしてくれるの……りっくん、かあさんのかわりになってくれるんでしょ?」

「え…えっと…うん、まあ…」
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