いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「――っいい加減にしなさい!!」

痺れを切らして二人同時に頬へ平手を食らわすと、陸と香也は文字通り面喰らった表情で黙り込んだ。

「家同士の仲が良くないからって、二人までそうすることないでしょ!喧嘩しないの!!」

「「…はい」」

二人は揃って素直に返事をしたが、香也は叩かれたことが相当予想外だったのかくすくすと笑い始めた。

「いってぇ…月虹で陸が殴られたとき痛そうだとは思ってたが、こりゃ想像以上に効くな」

「馬鹿言うな、晴の本気はこんなもんじゃないぞ」

「え…」

あのとき程そんなに強く叩いたつもりはなかったのだが――って、陸は何を言っているんだ。

「わっ、私はただ…二人に仲良くして欲しいだけだよ!二人が険悪だと私、どうしたらいいか解らないじゃない」

「晴」

「ふっ…ははは、解ったよ晴海。お前からそう言われちゃ俺たちの役目も形無しだ」

香也は観念したように両手をひらひらと振ったかと思うと、ふと晴海の手を引いてその指先に口付けた。

「そういう案外気の強いところも好きだぜ、晴海」

「っ……」

その唐突な行動に当惑していると、今度は陸に腕を引かれてその腕の中に抱き込まれた。

「だから触るなって。ていうかお前、いつから晴のこと…もとい能力に気付いてたんだ?」

「直感、といったところだな。初めて晴海の姿を見た瞬間、一目で俺の護るべき存在だって理解した」
< 330 / 331 >

この作品をシェア

pagetop