いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「あれは、お前を誘き出すための作戦としてしたことだ。月虹からの命令でしたことであって、俺の本意じゃない」

「へえ、その割には随分と乗り気だったじゃないか。無理矢理迫ったりとかもしてただろ」

……ああ、何だか次元の低い言い合いと化しつつある。

陸と風弓の口論ならともかく、これは何処で止めたら良いんだろう。

それとも、お互いに気が済むまで暫く言わせておいたほうが良いのか…

「そりゃ晴海に実際逢うのはあのときが初めてだし、俺だって気乗りもするさ。…お前こそあの馬鹿従兄弟に上手いこと煽られて晴海を泣かせた癖に」

「な、おまっ…あれ見てたのか?!」

「あのときは侵入こそ出来なかったが、透視は出来たんでな。因みに俺の名誉のために言っておくが、晴海の着替えや風呂は覗いてないぞ」

(?!)

ちょっと…こちらの尊厳に関わる話題になってきたではないか。

「最低だな…そういうのを才能の無駄遣いって言うんだぞ」

「だから見てないって言ってんだろ」

「どうだか。気配を消すのと透視はお前の得意分野だろ」

「んなこと言ったら、お前だって霊視で覗き出来るだろうが」

「一緒にするなよ!!そもそも俺の霊視はつい最近使えるようになったからそんな邪(よこしま)な手段に使うなんて考えもしなかったね!」

「技能の習得が遅れてることを偉そうに威張られてもなあ?これだから平和呆けした霊奈の家系は嫌なんだよ」

「お前そうやって前々からやたら俺に突っ掛かってくるけど、要は俺んちが気に食わないのか?前は記憶なかったから意味が解らなかったけど」

「当たり前だろ!元々俺の家系とお前の家系は仲が悪いんだって、いくら物覚えが悪いからって何回言われりゃ覚えんだよお前はっ」
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