いとしいこどもたちに祝福を【後編】
確かに見ようによっては、気心の知れた友人同士に見えなくもない、かも知れない。

聞けばお互い年齢も同じだそうで、周にとって悠梨は妻子同様に気兼ねせず話せる相手らしい。

「…父さん」

ふと陸はそろりと周の上着の袖を引っ張ると、少し恥ずかしそうに父の顔を見上げた。

「ただい、ま」

改まって告げられたその言葉に、周はその意図を察して嬉しそうに微笑んだ。

「…お帰り、陸。兄ちゃんとは仲直りしたのか?」

「うん…沢山心配掛けて、ごめんなさい」

「いいよ、お前たちの仲がいいと俺も嬉しい」

周の掌にわしわしと盛大に髪を掻き混ぜられ、陸もくすぐったそうに笑みを零した。

「そうだな…此処で話もなんだし、みんなこっちにおいで」

周にそう促されて入った隣室には、大きな長椅子が複数置かれている。

悠梨は風弓を座らせると、自身は座らず壁へ凭れて腕を組んだ。

京に促され風弓の隣に腰を下ろすと、更に陸が隣に座ったため二人に挟まれる形になる。

「父さん、美月さんは?」

「ん…陽司(ようじ)のところに使いに出てる。戻りは夕方だ」

そういえば今日は姿が見えないと思ったが、陽司というのは誰のことだろう。

「そっか。金砂の双子くんたちは?」
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