いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「向こうの領主と連絡を取ってな、あっちで彼らを保護してくれることになったよ。近々金砂から使者が来る」

すると二人の会話に、風弓がぱっと顔を上げた。

「葵と茜、此処にいるんですか」

「ああ。今は洗脳も解けてるし、君に逢いたがってたよ。後で顔を見せてやるといいぞ」

周にそう告げられ風弓は少し嬉しそうに頷いた。

「…そうだ、晴。夕夏と賢夜は?俺、賢夜に謝らなきゃならないことがあるんだ」

「!あ、えっと…」

陸からの問いに、思わずびくりと身が強張る。

「晴海ちゃん、僕から話すよ」

それに気付いた京が声を上げると、陸は怪訝そうに首を傾げた。

「兄さん?何で…」

「賢夜くんはあの夜、慶夜くんの攻撃を受けて瀕死の重傷を負ったんだ。一命は取り留めたけど…意識障害が残って依然目を醒まさない」

「!!」

瞬間、陸と風弓の表情が凍り付いた。

「そんな…それじゃあ、夕夏は…?」

「夕夏は無事だよ。賢夜が絶対に攻撃させないように守ったみたい…」

陸が俯いて口惜しげに両手を握り締めると、風弓は顔を顰めて首を振った。

「酷え、な…何より慶夜自身が可哀想だ。慶夜だって本当は家族想いの大人しい奴だったのに」
< 69 / 331 >

この作品をシェア

pagetop