いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「あ…、はい」

ふと周から問い掛けられ、風弓は少し狼狽するように眼を泳がせた。

「……ねえ、風弓。どうして父さんは私に生きてることを隠して、風弓だけ連れて月虹へ行ったの?」

咄嗟に、真実を知ってからずっと胸中に抱(いだ)いて疑問を投げ掛けると、風弓はびくりと身を震わせてこちらから眼を逸らした。

「風弓…!」

最早、隠している必要はないのではないか。

此処まで来て、未だに自分だけ除け者だなんて嫌だ。

「――晴海ちゃん、持病はもう大丈夫なのか」

すると、風弓ではなく周から突然そう訊ね掛けられた。

「…っ……持、病…?」

「…覚えていないか?君が才臥さんと一緒に春雷へ来た頃は、なかなか酷いらしいと聞いたんだが」

「私の病気…って、心臓の……」

今は症状もすっかり治まっていて忘れ掛けていたが――確かに自分は幼い頃、心臓の持病が酷いせいで身体が弱かった。

風邪一つひかず元気に外で遊び回っていた風弓を、いつも窓から眺めていた覚えがある。

「ああ。君に月虹行きを隠していたのは、恐らくその病気を再発させないためだよ。風弓くん、違うか?」

周の問いに、風弓は遠慮がちにこくんと頷いた。

「才臥さんには陸の体質のことで相談させて貰ったって前に話しただろ?そのときに君の病状について、精霊の力では何か対処は出来ないかと才臥さんから俺も相談を受けてたんだ」

「…でも、それと月虹のことと、何が関係あるんですか…っ?」
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