世界一幸せな国Ⅰ


しばらくして、廊下が騒がしくなってきた。


家族が面会に来たのだろう。



バ「ローナ、来たわよ!レオ、聞いて!あのね、お医者様に聞いたらもうすぐ2人とも目が覚めるかもしれないって!」


ロ「ありがと、お母様。心配かけてごめんなさい。ちゃんと起きたよ」


バ「いい……えぇっ?!ローナ、いつ起きたの?!」


ロ「たった今。ただいま。心配かけてごめんなさい」


バ「おかえり!」




お母様は号泣しながら、ローナに抱きついた。


その光景に、また涙が出そうになる。




──ガラガラ





メ「……ローナ!!ローナぁっ!!遅かったじゃない、ずっと待ってたのよ!」


ラ「ローナ?!うそっローナおかえり!!え、夢じゃないよね!!」



お父様は、仕事があったから今日は来ないが、後で電話してやろう。

ローナが戻ってきて、本当に良かった。


一瞬で家族が賑やかになる。




メ「ねぇ、ナースコールはもう押したの?」



落ち着いたメアリーが発した言葉に、皆は固まるばかりだった。



……ナースコール。
< 140 / 256 >

この作品をシェア

pagetop