君想歌
騒々しい足音が近づき
土方は襖に目を向ける。


「土方さん土方さん土方さん!!」

「うるせぇぇぇ!!」


ご丁寧にも襖を外して
部屋に入ってきた沖田に
怒号が飛んだ。


「ちょっと、何〜?」


迷惑そうな口振りなのは
報告書を書いていたからだろう。

無理矢理呼ばれたらしい和泉は
いささか不機嫌だ。


形の良い眉を上げて沖田に
訊ねた。


「面白いものを拾ったんです!!」

じゃーんっと腕に抱いた
玩具を二人に見せるように
手を上げた。


「……何だそりゃ?」

土方は眉を寄せ首を傾げ。

「オッサン誰?」

和泉は乗せられた人形を
ガン見して。


「近くで拾いました」


満面の笑みで言えば、

「「捨ててこい」」


む〜!!
揃って言う必要無いじゃない
ですか!


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