君想歌
説明書を手に取った土方は
顔を引きつらせて固まる。


空いた穴に剣を差せば良い。


そこまでは良い。


「……ばっ爆発だと!?」


もし間違えた穴に差せば、
樽が爆発する仕組みに
なっています。


その一文に土方は声を荒げる。
何でこんなもので命捨てなきゃ
ならねぇんだ!!とごちゃごちゃ
喚く土方。


「西洋人はこれで度胸だめしを
するんだって。
へーえ。
土方は出来ないんだー。
総司は勿論やるよね?」


「勿論ですっ。
土方さんみたいに臆病じゃ
ありませんから」



「やってやろうじゃねぇかぁあ!!」


部下である二人に馬鹿にされ
ムキになった土方は剣を取ると
いきなり穴に差した。


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