君想歌
吉田の髪がさらりと背から
滑り落ちる。


初めは吉田の腕から逃れようと
懸命に身をよじっていはずが
今はどうだ。


吉田の思惑通りにすっかり
身を委ねているでは無いか。


そんな自分を見て吉田が
微笑を浮かべている気がする。

それ以前。

目の前にある吉田の妖艶な
表情と酸欠で頭がクラクラする。


「にゃぅ……」


眠たそうな猫の声を合図に
ゆっくりと唇を話した。


「……死ぬかと思った…」


余裕そうな吉田を涙目で睨み、息を目一杯吸った。

こんなに空気が美味しいなんて
知らなかった。


「ははっ……。
息してなかったんだ……」


くすくすと笑う栄太郎は
さも可笑しそうに肩を揺らす。

「これ以上したら俺が持たない。
だから口付けまでね?」


言い聞かせるように吉田は
柔らかく和泉の頭を撫でた。


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