君想歌
手元に置かれた湯飲みを
手に取ると湯気を立てる
それを飲む。
「同士討ちとかも。
嫌いなんだよね……」
鮮明に覚えている冷たい雨が
降る九月十八日の夜。
元々、壬生浪士組には
局長が二人居た。
一方の局長、名は芹沢鴨。
組は筆頭局長の芹沢派と
近藤派に大きく分裂。
だが度重なる悪行のせいで
一派もろとも近藤派に
消される運命を辿った。
その決め手となったのは
大坂で起きた力士乱闘事件か。
はたまた大和屋焼き討ち事件か。
芹沢だけが悪いというわけでも
無かったはずだ。
芹沢がそうやって集めた金で
浪士組が成り立っていたのも
周知の事実である。
複雑そうな顔をし湯飲みを
持ったまま固まっている
和泉。
彼女の額を栄太郎は手を伸ばし
つんと突く。
「あ……。ごめん。
なんか愚痴っぽくなってた」
苦笑いして謝る和泉に
ゆっくり横に首を振る。
「和泉って何か問題ごととか
起きたら一人で考える性格?
話したくないなら構わないけど
少しは人に頼ることも覚えてね」
諭すように言う栄太郎に
和泉は椀を端に寄せ机に
顔を乗せた。
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手に取ると湯気を立てる
それを飲む。
「同士討ちとかも。
嫌いなんだよね……」
鮮明に覚えている冷たい雨が
降る九月十八日の夜。
元々、壬生浪士組には
局長が二人居た。
一方の局長、名は芹沢鴨。
組は筆頭局長の芹沢派と
近藤派に大きく分裂。
だが度重なる悪行のせいで
一派もろとも近藤派に
消される運命を辿った。
その決め手となったのは
大坂で起きた力士乱闘事件か。
はたまた大和屋焼き討ち事件か。
芹沢だけが悪いというわけでも
無かったはずだ。
芹沢がそうやって集めた金で
浪士組が成り立っていたのも
周知の事実である。
複雑そうな顔をし湯飲みを
持ったまま固まっている
和泉。
彼女の額を栄太郎は手を伸ばし
つんと突く。
「あ……。ごめん。
なんか愚痴っぽくなってた」
苦笑いして謝る和泉に
ゆっくり横に首を振る。
「和泉って何か問題ごととか
起きたら一人で考える性格?
話したくないなら構わないけど
少しは人に頼ることも覚えてね」
諭すように言う栄太郎に
和泉は椀を端に寄せ机に
顔を乗せた。
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