君想歌
「特には何も。
ただ町で見掛けることは多い」

淡々と重要事項だけ言うと
口を閉じる。

「瀬戸と同意見だ」

斎藤も和泉の意見に首肯すると
他の幹部も同じ反応を示した。

「あぁ……。なんつーか。
近藤さんどう考える?」

大した意見が得られず
近藤に話を回す。

「そうだなぁ……。
水面下で動いていると考えると
妥当だろうな」


近藤の考えは十中八九
当たっている。


土方は頷くと和泉に目線を送る。

「和泉、お前はどう考える?」


「どう、と言われても……」


和泉に一気に視線が集中し
言葉に詰まる。


「確かとは言えないが。
大きな計画を実行しようと
している、かもしれない」


証拠も余り無いというのに
逆思考は難しい。


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